臨床経験
当センターにおける不妊患者の周産期予後の検討
松岡 理恵
1
,
浮田 祐司
1
,
浮田 美里
1
,
脇本 裕
1
,
坂根 理矢
1
,
原田 佳世子
1
,
福井 淳史
1
,
田中 宏幸
1
,
柴原 浩章
1
M. Matsuoka
1
,
Y. Ukita
1
,
M. Ukita
1
,
Y. Wakimoto
1
,
R. Sakane
1
,
K. Harada
1
,
A. Fukui
1
,
H. Tanaka
1
,
H. Shibahara
1
1兵庫医科大学病院生殖医療センター
pp.1043-1046
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000562
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ART後の妊娠は,母児ともにハイリスクであると報告されている。そこで,当センターにおいて不妊治療後に妊娠し,分娩に至った妊婦の周産期予後について後方視的に検討した。最近の4年間に当センターで妊娠・分娩に至った単胎妊娠190例を対象とし,その対象を〈ART後妊娠群(以下,ART群)〉,〈ART以外の不妊治療妊娠群(以下,非ART群)〉の2群に分類し,周産期予後について比較した。ART群は,今回の全分娩数の40.5%であった。今回の検討において,ART群の母体年齢は非ART群と比較して有意に高く,帝王切開率もART群で有意に高かった。また妊娠高血圧症候群(HDP)率はART群(26.53%)で有意に高く,切迫早産,妊娠糖尿病(GDM),前置胎盤は有意差を認めなかったものの,高い傾向にあった。従来からの報告どおり,ART妊娠はハイリスク妊娠と位置づけ,より慎重な周産期管理を行うべきである。
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