綜説
新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症の予防
-――現状と予防のエビデンス構築に向けて
落合 正行
1
1九州大学環境発達医学研究センター
pp.172-175
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003361
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症は,とりわけ頭蓋内出血例では生命・神経学的予後は不良となる.一方で本症は適切なビタミンK補充で予防可能である.わが国では,出生時より生後3か月まで週1回ビタミンK2を経口内服する予防法(経口13回法)に統一された.世界各国でさまざまな予防法が行われている.予防法の効果により罹患率は著減しており,かつ発症例の予後が悪いことより,これらの有効性を前向き研究で比較することは困難である.経口13回法のエビデンス構築には,服薬コンプライアンスの現況,肝胆道系疾患例やコンプライアンス不良例での出血症例の疫学,血液学的評価と治療における課題などの調査が必要であろう.

Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.