綜説
食道閉鎖症の胎児MRI診断
道下 由紀子
1,2
,
宮嵜 治
3
1聖路加国際病院放射線科
2聖マリアンナ医科大学放射線診断・IVR学講座
3国立成育医療研究センター放射線診療部
pp.164-171
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003360
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食道閉鎖症は先天的に食道が閉鎖・離断する疾患である.他の形態異常や染色体異常を合併することが多く,出生直後から治療が必要となるため出生前診断の果たす役割は大きい.出生前診断は超音波検査が基本となるが,診断率向上のため胎児MRIが注目されている.食道閉鎖の大部分を占めるGross C型を確実に診断するにはポーチサインの描出が鍵となる.特にダイナミック撮像(シネモード)は胎児の嚥下運動を観察可能とし,診断感度を向上させる手法である.また,胎児MRIは合併奇形の診断にも有用であり,出生後の集学的な治療計画の立案に大きく寄与する.
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