特集 小児診療ガイドラインのダイジェスト解説&プログレス
新生児
57.新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症
白幡 聡
1
1北九州八幡東病院
キーワード:
新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症
,
新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン(修正版)
Keyword:
新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症
,
新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症に対するビタミンK製剤投与の改訂ガイドライン(修正版)
pp.823-826
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001329
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小児のビタミンK欠乏性出血症は周生時から幼若乳児期にかけて好発する.このうち20世紀以前から知られていた,第2〜4生日を中心に発症する古典的新生児ビタミンK欠乏性出血症は軽度の消化管出血が多く予後はおおむね良好である.一方,生後3週から2か月を中心に発症する乳児ビタミンK欠乏性出血症は胆道閉鎖症など基礎疾患をもつ二次性と,基礎疾患のない特発性に分類されるが,いずれも頭蓋内出血が多いため予後不良で,過去に実施された4回の全国調査によると半数の患児は死亡するか後遺症を残していた.本症のもう1つの大きな特徴は母乳栄養児に多いことで,前述の全国調査で母乳のみの栄養児が特発性の9割近くを占めており,母乳哺育推進の足かせとなっている1).
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