一般内科外来でみる出血傾向 「ぶつけてないのにアザ!」にあわてない 凝固異常を生じる主な疾患の診断と治療
ビタミンK欠乏性出血症
白幡 聡
1
1北九州八幡東病院
キーワード:
Vitamin K
,
ビタミンK欠乏性出血症
Keyword:
Vitamin K Deficiency Bleeding
,
Vitamin K
pp.263-265
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014279914
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ビタミンKは4種類の血液凝固因子の産生に必要不可欠な微量栄養素であり,その欠乏により止血困難が引き起こされる.腸内細菌が産生したビタミンKが供給されるので,摂取量の減少だけではビタミンKの欠乏は起こらない.したがって,ビタミンK欠乏のリスク因子のない成人にビタミンK欠乏性出血症をみることはない.一般外来で遭遇する機会があるのは,幼若乳児のビタミンK欠乏性出血症で,高率に頭蓋内出血を起こしているので早期治療が重要である.ビタミンK欠乏による頭蓋内出血を防ぐため,わが国ではビタミンK製剤の予防投与が普及し,本症はまれな疾患になった.
©Nankodo Co., Ltd., 2014