特集 正しく指示する 子どもの栄養・病気のときの食事指導Ⅱ
6.先天代謝異常症
伊藤 哲哉
1
1藤田医科大学医学部小児科
pp.1472-1475
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003298
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先天代謝異常症は,先天的な代謝酵素の機能異常により,体内の代謝が正常に行われず,さまざまな症状を引き起こす疾患群である.アミノ酸代謝異常症の代表的疾患であるフェニルケトン尿症ではきわめて厳しい蛋白質摂取制限と不足する蛋白質を補うためのフェニルアラニン除去粉乳等の補助食品による食事療法が必要となる.プロピオン酸血症,メチルマロン酸血症に代表される有機酸代謝異常症や尿素サイクル異常症でも蛋白質摂取制限が必要となるが,これらの疾患では飢餓や感染に伴って急性代謝不全を呈することがあり,体蛋白異化を防ぐための十分なカロリー補充や早期からの入院管理や輸液など注意深い管理が求められる.
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