特集 日常診療で見落としたくない神経疾患
Ⅰ 説明しにくい症状・軽度の徴候のみのため見逃されやすい疾患
4.チック症
星野 恭子
1
1医療法人社団 昌仁醫修会 瀬川記念小児神経学クリニック
キーワード:
チック症
,
トウレット症
,
強迫性障害
,
包括的行動的介入
,
機能性不随意運動
Keyword:
チック症
,
トウレット症
,
強迫性障害
,
包括的行動的介入
,
機能性不随意運動
pp.988-992
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002717
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チックは「単一筋,または複数の筋群に起こる短時間の,素早い,反復する,無目的にみえる,常同的な運動」と定義されるが,症状は比較的わかりやすい.一方で非典型的な多様な症状もある.必要以上に強い動きをしつこく繰り返す,前駆衝動がある,その行動の反復に周囲が理解できないなどがチックの手がかりとなる.中でも「目をつつく」チックは,背景に強迫性障害や不安障害などの関与が強く,後に視力障害などの重篤な後遺症が懸念される.スポーツや学習に関連する症状や強迫性障害や機能性不随意運動と鑑別が難しい症状もある.治療は保護者へのガイダンス,生活習慣の改善,チックに向き合える行動療法,副作用の少ない薬物療法を提案する.
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