特集 日常診療で見落としたくない神経疾患
Ⅰ 説明しにくい症状・軽度の徴候のみのため見逃されやすい疾患
5.軽度の神経発達症・発達障害
下郷 幸子
1
1新百合ヶ丘総合病院小児科・発達神経学センター
キーワード:
自閉スペクトラム症
,
注意欠如・多動症
,
グレーゾーン
,
5歳児健診
Keyword:
自閉スペクトラム症
,
注意欠如・多動症
,
グレーゾーン
,
5歳児健診
pp.993-998
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002718
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神経発達症と診断される子どもの数は年々増加しており,今やコモンディジーズといっても過言ではない.神経発達症はスペクトラムであり,診断基準に満たないが特性をもっているいわゆる「グレーゾーン」の児も多い.症状が軽度の場合には,児の特性を理解し適切に対応することで困難さを軽減することができる.神経発達症の存在に気づかれていないケースでは併存症や二次障害を主訴に受診する場合もある.そのような場合には,患者が訴えている困りごとだけでなく,その背景に隠れている神経発達症に気づくことが解決の糸口となる.診断のきっかけとなる徴候を知ることで,軽度の神経発達症を適切に評価することが可能となる.
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