綜説
未診断疾患イニシアチブ(IRUD)事業の現状と今後の課題
鈴木 寿人
1,2
1筑波大学医学医療系臨床医学域
2慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
キーワード:
未診断疾患
,
次世代シーケンサー
,
遺伝子解析
,
希少疾患
,
先天異常症候群
Keyword:
未診断疾患
,
次世代シーケンサー
,
遺伝子解析
,
希少疾患
,
先天異常症候群
pp.824-829
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002662
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近年の遺伝子解析技術の進歩によって,数多くの遺伝性疾患が確立されるようになった.多くは非常にまれな疾患であり,診療した経験のある臨床医も少なく,症状から診断に至ることは困難になっている.未診断疾患イニシアチブ(IRUD)は,二次病院・三次病院で精査の後も診断がつけられない患者を対象に網羅的遺伝子解析を実施し,診断への糸口を見つけ出す研究である.2015年より開始され,参加した未診断疾患患者の40%で診断のきっかけが得られるようになった.また,研究的要素として,30以上の新規遺伝性疾患が確立されている.本稿では,IRUDでの成果を紹介するとともに,参加前に検討してほしい検査,診断後のフォローアップのお願いについて記載する.
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