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第5土曜特集 小児医療の最先端
基礎・基盤編
次世代シークエンサーを用いたIRUD事業の成果と将来展望
Achievements and future prospects of IRUD project using next generation sequencers
鈴木 寿人
1
,
小崎 健次郎
1
Hisato SUZUKI
1
,
Kenjiro KOSAKI
1
1慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
キーワード:
未診断疾患
,
次世代シークエンサー(NGS)
,
遺伝子解析
,
未診断疾患イニシアチブ(IRUD)
Keyword:
未診断疾患
,
次世代シークエンサー(NGS)
,
遺伝子解析
,
未診断疾患イニシアチブ(IRUD)
pp.328-332
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205328
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未診断疾患イニシアチブ(IRUD)は2015年より開始されたナショナルプロジェクトであり,2022年現在も継続している.本プロジェクトは研究的な側面とともに,幅広い未診断疾患の “患者” のための研究である.これまでに6,301家系18,136名がIRUDに参加し,2,247家系(43.8%)で診断が確定した.診断が確定することで,特異的な治療の開始や適切な行政サービスの享受ができるようになる.研究的側面として,新たに24遺伝子と既知の4遺伝子に対して新しい疾患概念を本プロジェクトで確立した.また,小児科学領域において網羅的遺伝子解析による分子遺伝学的診断の有用性が周知され,多くの遺伝専門家も育成された.IRUDは今後も,臨床医間の連携を強化するだけでなく臨床医と基礎医学研究者の連携を促進し,未診断疾患患者の診断率の向上,新規疾患概念の確立,さらには遺伝性疾患の治療法の開発を推進していく.
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