綜説
抗インフルエンザ薬の基礎と使い方
佐藤 晶論
1
1福島県立医科大学医学部小児科学講座
キーワード:
インフルエンザ
,
抗インフルエンザ薬
,
ノイラミニダーゼ阻害薬
,
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬
Keyword:
インフルエンザ
,
抗インフルエンザ薬
,
ノイラミニダーゼ阻害薬
,
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬
pp.813-823
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002661
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現在,投与可能な抗インフルエンザ薬には4種類のノイラミニダーゼ(NA)阻害薬とキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬であるバロキサビル マルボキシルがある.NA阻害薬投与により有熱時間の短縮や合併症の抑制が期待できる.しかし,各NA阻害薬の薬理学的背景の相違が臨床効果の相違にも反映されるため,各NA阻害薬の特徴を考慮し最善の薬剤を選択する必要がある.また,バロキサビル マルボキシルについては,NA阻害薬と比較して,投与直後の優れたウイルス量抑制効果が期待できるが,臨床効果についての優劣性は示されていない.さらに,小児のA型感染例に対しバロキサビル マルボキシルを投与すると,薬剤投与後に薬剤低感受性ウイルスが高率に検出されるため,現状では積極的な投与は推奨されない.
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