綜説
乳児血管腫(いちご状血管腫)治療の実際
小関 道夫
1
1岐阜大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
血管性腫瘍
,
薬物療法
,
プロプラノロール
,
血管腫専門医
,
低血糖
Keyword:
血管性腫瘍
,
薬物療法
,
プロプラノロール
,
血管腫専門医
,
低血糖
pp.1695-1704
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002015
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乳児血管腫(IH)は乳児期に最も多い良性腫瘍で,その多くが自然消退するため無治療でよいとされる.しかし,病変部位や大きさによっては合併症や後遺症を残す場合があり,適切に判断し,早期介入することが重要である.例えば,気道閉塞を起こす声門下IHや心不全を伴う巨大肝血管腫,弱視リスクのある眼瞼周囲や授乳障害を起こす口周囲のIH,潰瘍形成リスク部位や顔面,頭部,胸部,腕,指や広範囲の場合は,後遺症リスクがある.これらの増殖が活発となる生後3か月までに評価,トリアージし,血管腫治療が可能な専門施設へとつなぐ診療体制の構築が望まれる.
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