Japanese
English
症例報告
プロプラノロール療法に抵抗性であった乳児血管腫の2例
Two cases of infantile hemangiomas resistant to oral propranolol therapy
稲田 有亮
1
,
武内 崇
2
,
鈴木 啓之
2
,
岡田 由香
3
,
神人 正寿
1
Yusuke INADA
1
,
Takashi TAKEUCHI
2
,
Hiroyuki SUZUKI
2
,
Yuka OKADA
3
,
Masatoshi JINNIN
1
1和歌山県立医科大学皮膚科
2和歌山県立医科大学小児科学教室
3和歌山県立医科大学眼科学講座
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
2Department of Pediatrics, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
3Department of Ophthalmology, Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
キーワード:
プロプラノロール
,
乳児血管腫
Keyword:
プロプラノロール
,
乳児血管腫
pp.137-142
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206270
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要約 乳児血管腫に対しプロプラノロール内服療法は高い奏効率を有し,多くの症例で投与後病変の増大の停止ないし縮小を認める.しかし,われわれは有効性に乏しい2症例を経験した.症例1は内服160日目後も治療反応性を認めず,冷凍凝固療法を追加した.症例2では,プロプラノロール内服中断中に腫瘍が増大し,その後再投与しても治療効果を得ることができなかった.乳児血管腫は特徴的な臨床像・臨床経過を有するもののいまだ原因が解明されていない.プロプラノロール内服療法の登場により治療戦略は大きく進歩したが,その作用機序には諸説存在する.反応不良例についての詳細な発生部位や副作用の有無,プロプラノロールの血中濃度と奏効率などのデータの蓄積が,プロプラノロール治療抵抗性のメカニズムの解明の一助となる可能性が期待される.
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