治療
乳児血管腫の治療
桒野 嘉弘
1
1帝京大学医学部附属溝口病院皮膚科
キーワード:
乳児血管腫
,
いちご状血管腫
,
プロプラノロール
Keyword:
乳児血管腫
,
いちご状血管腫
,
プロプラノロール
pp.900-906
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000001166
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乳児血管腫の治療は近年めざましい進歩を遂げている. 2008年にフランスのLéauté-Labrèzeらが,『New England Journal of Medicine』誌にプロプラノロールの投与が乳児血管腫に対して有効であることを報告した1).その後,プロプラノロールが有効であるとする報告が相次ぎ,すぐに海外では治療の必要な乳児血管腫に対する第1選択薬となった.日本でも,乳児血管腫に対して保険適用を有するプロプラノロール製剤であるヘマンジオルRシロップが2016年に発売となっている.日本のガイドラインでも1Aの評価となっており2),現在では日本でも広く使用されるようになっている.ヘマンジオルRシロップ発売後,国内ですでに4,000名程度の患児が同薬剤での治療を受けていると考えられている.乳児血管腫は,以前はwait and see policyといわれていたものが,最近は早期治療が重要であるともいわれるようになり,対応があまりにも変わったために混乱を招きやすい状態となっている.理解のために歴史的な経緯を知ることがわかりやすいと思われるため,治療動向の変遷をまずまとめ,その後,最近,議論になっている点について詳述したい.(「はじめに」より)
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