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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
4.皮膚疾患治療のポイント
乳児血管腫に対するプロプラノロール療法
Treatment of infantile hemangioma with oral propranolol
戸田 さゆり
1
,
秀 道広
1
Sayuri TODA
1
,
Michihiro HIDE
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院皮膚科学
1Department of Dermatology, Hiroshima University Graduate School of Biomedical Sciences, Hiroshima, Japan
キーワード:
プロプラノロール
,
乳児血管腫
,
苺状血管腫
,
βブロッカー
Keyword:
プロプラノロール
,
乳児血管腫
,
苺状血管腫
,
βブロッカー
pp.111-116
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103981
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要約 近年,乳児血管腫(苺状血管腫)に対し,β遮断薬であるプロプラノロールの内服療法が有効であるとの報告が相次いでいる.乳児血管腫の治療としては,従来レーザー治療やステロイド治療が選択されることが多かったが,これまでの報告を見る限りプロプラノロールはそれらより高い有効性を示している.欧米では既に第一選択薬となりつつあり,国内での報告例も年々増加傾向にある.乳児血管腫は自然退縮する疾患ではあるが,腫瘍により機能障害や醜形をきたす可能性もあり,治療適応か否かを適切に判断する必要がある.プロプラノロールは治療介入が必要な症例に対し,投与量の設定や副作用の発現などに十分に留意しつつ,早期からの投与を検討すべき薬剤である.今後さらにエビデンスが蓄積され,より安全かつ有効性の高い投与方法等について,統一した見解が確立されることが期待される.
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