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増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017
4.皮膚疾患治療のポイント
乳児血管腫のプロプラノロール内服療法
Oral propranolol for infantile hemangioma
馬場 直子
1
Naoko BABA
1
1神奈川県立こども医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Kanagawa Children's Medical Center, Yokohama, Japan
キーワード:
乳児血管腫
,
infantile hemangioma
,
プロプラノロール
,
ヘマンジオル®
,
βブロッカー
Keyword:
乳児血管腫
,
infantile hemangioma
,
プロプラノロール
,
ヘマンジオル®
,
βブロッカー
pp.103-107
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205079
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summary
βブロッカーであるプロプラノロールが乳児血管腫の退縮効果をもたらすことが,2008年偶然に発見されたことを契機に,欧米では本剤が重症乳児血管腫に対する第一選択として用いられるようになっていた.わが国では,インデラル錠を粉砕して適用外使用してきたが,2016年ヘマンジオル®シロップが乳児血管腫に対して保険承認が下り発売されるに至った.増殖期の乳児血管腫で,眼裂,鼻腔,口腔,外耳道の狭小化などの機能的問題や,顔面の巨大例などの整容的問題がある場合,潰瘍形成があり易出血性がある場合などに内服させると,非常に有用な治療法である.本剤は非選択的βブロッカーであり,循環器系,呼吸器系,糖代謝系,中枢神経系などへのさまざまな副作用の懸念もあるため,安易に使うことなく,リスク・ベネフィットをよく検討し適応を厳選した上で,バイタルチェックをこまめに行いながら慎重に投薬し,長期経過観察を行っていくことが大前提となる.
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