特集 日常診療で先天代謝異常症を見逃さないために
6.ガラクトース血症
伊藤 哲哉
1
,
中島 葉子
1
1藤田医科大学医学部小児科
キーワード:
ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ
,
ガラクトキナーゼ
,
UDPガラクトース-4-エピメラーゼ
,
ガラクトースムタロターゼ
Keyword:
ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ
,
ガラクトキナーゼ
,
UDPガラクトース-4-エピメラーゼ
,
ガラクトースムタロターゼ
pp.1394-1398
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001478
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
先天的にガラクトースの代謝経路が障害されているガラクトース血症は,これまでその酵素障害部位によりⅠ型,Ⅱ型,Ⅲ型が知られていたが,東北大学のグループらの検討により新規疾患としてⅣ型ガラクトース血症が報告された.これらは新生児マススクリーニングにより血中ガラクトース,ガラクトース-1-リン酸の高値を契機に診断されるが,現在,血中ガラクトースを測定している一般の検査機関はなく,マススクリーニング検査施設でのみ対応可能であるため,日常診療で本疾患を発見することは難しい.Ⅰ型,Ⅱ型では乳糖制限を継続する必要があり,Ⅰ型では卵巣機能不全などの慢性期合併症にも注意が必要である.
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.