特集 新生児医療―最近の話題
4.早産児に対するステロイド療法
河井 昌彦
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1京都大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター
キーワード:
相対的副腎不全
,
晩期循環不全
,
副腎抑制
,
ステロイド代謝
Keyword:
相対的副腎不全
,
晩期循環不全
,
副腎抑制
,
ステロイド代謝
pp.1745-1750
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001127
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早産児は相対的副腎不全に陥るリスクが高く,ステロイド療法を要する機会が多い.これは,子宮外での刺激に対するコルチゾール産生調節能の未熟性に起因するものと考えられ,時期を逸さず,ステロイド投与を開始することが重要である.一方,ステロイド療法は種々の合併症のリスクがあるため,必要最小限の使用に留める努力が欠かせない.本稿では,1mg/kg/回×3回/日のハイドロコーチゾン(HDC)投与が成人の敗血症性ショックに対する投与量に匹敵する量であること,HDCの代謝が甲状腺ホルモン投与で亢進すること,デキサメタゾンの代謝がフェノバルビタールとの併用で亢進することなど,ステロイド療法を行う際に留意すべき知識について解説する.
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