診療
沖縄県北大東村における百日咳集団発生の分析
黒田 萌
1
,
神谷 元
2
,
砂川 富正
2
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター附属座間味診療所
2国立感染症研究所
キーワード:
小児の遷延性咳嗽
,
百日咳集団発生
,
小規模離島
,
感染症コントロール
,
4種混合ワクチン
Keyword:
小児の遷延性咳嗽
,
百日咳集団発生
,
小規模離島
,
感染症コントロール
,
4種混合ワクチン
pp.173-181
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000766
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沖縄県の遠隔離島である北大東島で2016年8月~2017年2月に百日咳集団発生が起こり,疑い者を含めると人口の約2割である154名が感染する結果となった.小児に限ると百日咳含有ワクチン(ワクチン)接種率はほぼ100%であるにもかかわらず,幼稚園~小学校ではほとんどの学年で80%以上の発症率となった.成人での発症者は診療所未受診者も含めると約8割が咳症状を呈し,調査の回答が得られた事業所職員の15%が咳症状で欠勤していた.約半年間にわたり村内外の機関と連携して新生児への百日咳対策を実施した結果,年間出生数は5~6名だが重症例の発生はなく終息まで確認することができた.小規模離島における感染症管理の事例報告と,この集団発生における疫学的特徴を記述的に分析した.
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