日本列島
沖縄県におけるがん死亡
伊波 茂雄
1
1沖縄県環境保健部
pp.334
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206085
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昨年9月のがん征圧月間に沖縄県の主要死因は,がんが脳卒中を抜いてトップになっている.これは全国平均の死因トップが脳卒中であった52年からのことである.昭和52年における総死亡者数は5,276人であったが,そのうち最も多いのはがんの959人で18.2%,次いで多いのは脳卒中の913人で17.3%,続いて心臓病が660人で12.5%,老衰が505人で9.6%,肺炎・気管支炎が296人で5.6%の順になっていた.昭和53年の総死亡数は5,153人でやや少なくなったが,そのうち最も多いのは悪性新生物の1,004人・19.5%で,52年より多くなっている.次いで脳卒中が853人・16.5%であるが,これは前年に比較して60人減少している.以下,心臓病が710人・13.8%とやや増加,老衰が481人・9.3%とやや減少,肺炎・気管支炎が313人・6.1%とやや増加,となっている.
このような状況を全国平均人口10万対(概数)と比較してみると,総死亡は全国が607.7——沖縄が447.6(約73%),脳卒中は149.8——79.1(約52.8%とはるかに少ない),がんは131.2——93.1(約70%),心臓病は93.2——65.8(約70%)となっている.
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