綜説
妊婦に対するワクチン接種について
-―インフルエンザを中心に
大藤 さとこ
1
1大阪市立大学大学院医学研究科公衆衛生学教室
キーワード:
妊婦
,
疾病負担
,
インフルエンザワクチン
,
有効性
,
安全性
Keyword:
妊婦
,
疾病負担
,
インフルエンザワクチン
,
有効性
,
安全性
pp.163-171
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000764
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妊婦はインフルエンザ重症化のハイリスクグループに分類されており,WHOは「妊婦をインフルエンザワクチンの最優先接種対象に位置づけるよう推奨する」というポジションペーパーを示している.妊婦に対するインフルエンザワクチン接種は,妊婦自身のインフルエンザを予防する効果のほか,ワクチン接種を受けることができない出生児のインフルエンザを予防する効果を有する.一方,現在のところ,ワクチン接種を受けた妊婦で流産・死産・早産・先天奇形などの発生率が増加するという報告はほとんどない.妊婦に対するワクチン接種は,有効性に関するメリットと安全性に関するデメリットのバランスを考慮して,実施すべきである.
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