日本列島
タリウム中毒集団発生—沖縄県
伊波 茂雄
1
1沖縄県環境保健部
pp.465
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205643
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昭和51年7月30日,県立中部病院小児科に脳炎症状を主徴とする4歳の男児が入院したが,8月11日には顕著な脱毛が始まった,さらに,8月30日に同様の症状を呈する3歳の女児が入院した,家族の話で,その女児の兄(4歳)も同様の症状で他病院に入院し,7月下旬に死亡していることがわかった.
臨床症状からみて,主治医がタリウム中毒あるいは中枢神経系感染症が疑われると示唆したため,患児1名の血清および髄液からエンテロウイルスの検出,および9月に入って患児2名の尿からタリウムの検出を県公害・衛生研究所に依頼したが,いずれも陰性であった.その後,10月に入って5歳男児,4歳女児,さらに3歳女児と同一地区から同様の症状を呈する患児が発生した.ここで環境保健部は原因不明疾患対策本部を設置し,組織的に原因究明に乗り出した.その結果は次の通りである.
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