特集 あらためて見直すRSウイルス感染症
2.RSウイルス感染症
-―夏の流行が起きる気象条件
菖蒲川 由郷
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科国際保健学分野(公衆衛生学分野)
キーワード:
respiratory syncytial virus
,
RSウイルス
,
気象条件
,
パリビズマブ
Keyword:
respiratory syncytial virus
,
RSウイルス
,
気象条件
,
パリビズマブ
pp.363-368
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000395
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RSウイルスの流行は,従来,日本を含む温帯地域では秋から流行が始まり冬にピークを迎えるとされてきたが,昨今では夏頃より始まり秋に入ると報告数が急増するパターンが続いている.本稿ではRSウイルスが流行する気象条件について概説し,本邦の過去7シーズンのサーベイランスデータから夏季の流行の気象条件に絞って分析した結果を詳しく述べた.夏季のRSウイルスの流行が高温かつ多湿の条件で起きていることと,気候区分に分類した分析により夏季の流行が日常的に起きている可能性がある地域を示した.RSウイルスの夏季の流行はハイリスクの小児に対して予防を目的とした抗体医薬であるパリビズマブの投与のタイミングに影響を及ぼすと考えられる.
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