特集 あらためて見直すRSウイルス感染症
5.RSウイルス感染症の治療
沼﨑 啓
1
1国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科国際感染症学
キーワード:
細気管支炎
,
下気道炎
,
respiratory syncytial virus
,
RSウイルス
,
抗RSウイルス薬
Keyword:
細気管支炎
,
下気道炎
,
respiratory syncytial virus
,
RSウイルス
,
抗RSウイルス薬
pp.379-386
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000398
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RSウイルス(RSV)は6カ月未満の乳児の下気道感染症の最も一般的な病原因子である.有効で安全なワクチンや抗RSウイルス治療薬は現在までのところ実用化されておらず,主な治療は対症,支持療法が中心である.近年,抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体(パリビズマブ)が導入され,未熟児や心肺に基礎疾患を有するハイリスク乳幼児での予防的効果が確認されている.従来より抗ウイルス薬としてリバビリンが吸入で使用され,ある程度の抗ウイルス効果が認められるものの,対症療法の必要性や入院日数等への効果は不明であった.新規抗RSウイルス薬については現在もさまざまな物資の開発,導入が進められている.
本稿ではこれらRSウイルス感染症治療の現状と課題について概説する.
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