特集 あらためて見直すRSウイルス感染症
1.わが国におけるサーベイランスからみたRSウイルス感染症の疫学
加納 和彦
1
,
砂川 富正
1
1国立感染症研究所感染症疫学センター
キーワード:
respiratory syncytial virus
,
RSウイルス感染症
,
サーベイランス
,
バイアス
,
季節性・地域性
Keyword:
respiratory syncytial virus
,
RSウイルス感染症
,
サーベイランス
,
バイアス
,
季節性・地域性
pp.355-362
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000394
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わが国では2003年にRSウイルス感染症のサーベイランスがスタートして以降,患者報告数は年々増加してきたが,検査キットの普及や,検査の保険適用拡大が関係している可能性があり,新型インフルエンザの影響等,報告数増減の評価にはサーベイランスバイアスに対する注意が必要である.わが国のRSウイルス患者報告数は,夏頃より始まり秋に急増し,年末にピークとなることが多い.また,沖縄は夏季にピークを迎える亜熱帯パターンを示す他,他地域は南・西日本から東日本へと流行が推移する傾向がみられてきた.しかし,2017年は北海道が早い流行となる等,一定でない動向を示すシーズンもあり,情報収集の継続と分析が重要である.
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