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RSウイルス流行期の変化 疫学的な検討
菖蒲川 由郷
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科国際保健学分野(公衆衛生学分野)准教授
キーワード:
RSウイルス
,
疫学
,
気候因子
,
グローバリゼーション
Keyword:
RSウイルス
,
疫学
,
気候因子
,
グローバリゼーション
pp.20-22
発行日 2020年1月20日
Published Date 2020/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.11.03_0020-0022
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近年,わが国ではRSウイルス(respiratory syncytial virus)の流行開始が早まっている。これまで秋から冬にかけて流行するのが通常であったが,特に2017年からは8~9月に流行のピークが観察され,大きな流行時期の変化があった1)。一般的に,RSウイルスの流行は気温や相対湿度といった気象条件と関連があり,温帯地域では秋から冬に流行し,熱帯や亜熱帯では年中流行がある。RSウイルスは乳幼児に致命的な下気道炎を引き起こし,今のところワクチンや特別な治療がない。特に重症化のリスクが高い早産児,慢性肺疾患や先天性心疾患などをもつ乳幼児には感染予防目的に流行期に月に1回抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体(パリビズマブ)が投与されている。このため,いつ投与を開始し,いつ終了すればよいかを判断するために,しばしば流行の開始と終了の時期が問題となる。本稿では,特に小児医療,新生児医療に関わる医療関係者の間で近年話題となっているRSウイルスの流行時期の変化について述べる。「KEY WORDS」RSウイルス,疫学,気候因子,グローバリゼーション
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