特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査
各論
2.微生物別の種類別にみた施設内感染制御
4) ウイルス RSウイルス
堤 裕幸
1
,
永井 和重
1
,
要藤 裕孝
1
Hiroyuki TSUTSUMI
1
,
Kazushige NAGAI
1
,
Yuko YOTO
1
1札幌医科大学医学部小児科
キーワード:
RSウイルス
,
細気管支炎
,
パリビズマブ
Keyword:
RSウイルス
,
細気管支炎
,
パリビズマブ
pp.1413-1417
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102134
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はじめに
RSウイルス(respiratory syncytial virus;RSV)は毎年冬季に流行し,すべての年齢層に感染し,生涯に何度も感染を繰り返す.また,RSVは小児病棟では施設内感染を生じやすい.心肺に基礎疾患を有する児においては重症化しやすいことから,小児の入院施設における感染制御は重要である.RSV施設内感染は高齢者の施設においても問題となっている.施設内伝播予防策としてわが国でも広く利用されている米国CDCの“Guideline for isolation precautions:preventing transmission of infectious agents in healthcare setting 2007”によるとRSVの感染経路別予防策は接触予防策とされる.
本稿では,まずRSウイルス感染症の臨床像,診断,治療などについて解説した後に感染制御対策について考える.
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