特集 ますます必要になるかぜの専門知識
【原因別の対応】
RSウイルス
小笠原 徳子
1,2
Ogasawara Noriko
1,2
1札幌医科大学医学部感染学講座微生物学分野
2札幌医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
キーワード:
かぜ
,
RSウイルス
,
respiratory syncytial virus
,
ウイルス性中耳炎,家庭内感染
Keyword:
かぜ
,
RSウイルス
,
respiratory syncytial virus
,
ウイルス性中耳炎,家庭内感染
pp.1479-1483
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001881
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はじめに
RSウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)は,特に新生児や乳幼児における細気管支炎や肺炎などの下気道感染症の主要な原因微生物として知られている。ほぼすべての乳幼児が2歳までに一度は感染するとされており,小児医療の現場では極めて一般的な病原体である。一方で,免疫機能が低下した高齢者や基礎疾患を有する成人においても重症化のリスクがあり,近年では高齢者および妊婦を対象としたRSウイルスワクチンの開発が進められている。現在,わが国では2種類のRSウイルスワクチンが販売・使用の認可を受けており,公衆衛生上の関心も年々高まっている。

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