特集 あらためて見直すRSウイルス感染症
8.RSウイルスワクチン・治療のこれから
長澤 耕男
1,2
,
菱木 はるか
1
,
石和田 稔彦
3
1千葉大学大学院医学研究院小児病態学
2国立感染症研究所感染症疫学センター
3千葉大学真菌医学研究センター感染症制御分野
キーワード:
respiratory syncytial virus
,
RSウイルス
,
ワクチン
,
抗ウイルス薬
Keyword:
respiratory syncytial virus
,
RSウイルス
,
ワクチン
,
抗ウイルス薬
pp.401-406
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000401
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RSウイルスは,小児呼吸器感染症の代表的原因ウイルスであり,2歳までにほぼ100%の児が感染する.なかには重症化する例もあり,世界的にみると死亡者数も多い感染症である.しかし,いまだ確立された特異的治療はなく,認可されたRSウイルスワクチンもない.現在開発中のものとしては,生後早期の乳児の感染予防目的の妊婦ワクチン,乳幼児や高齢者対象のワクチンの臨床試験が進められている.また,予防接種ではないが,半減期が長く接種回数が少なくて済むモノクローナル抗体製剤の開発も進められている.治療薬に関してもいくつか臨床試験が進められている.今後さらに研究が進み,早期にこれらの臨床使用が可能となることが望まれる.
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