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特集 がんロコモの展望
ロコモティブシンドロームの新たな展開
-―タテ・ヨコ・面の広がり,そしてがんロコモ―
New development of locomotive syndrome;spread in vertical, horizontal, and in-plane direction, then cancer-locomo
石橋 英明
1
Hideaki ISHIBASHI
1
1医療法人社団愛友会 伊奈病院,整形外科
キーワード:
Locomotive syndrome
,
Frailty
,
Cancer-locomo
Keyword:
Locomotive syndrome
,
Frailty
,
Cancer-locomo
pp.821-827
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000926
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要旨:ロコモティブシンドローム(ロコモ)は運動器の障害による移動機能の低下を示す概念で,その対策は健康寿命の延伸を目的としている。一方で,ロコモ対策は壮年期,若年成人期,そして成長期から行うことが重要で,現在ロコモ対策は世代縦断的な「タテの広がり」を見せている。また,フレイルやサルコペニア,メタボリックシンドローム,認知症,肥満症などにおいても,ロコモを早めに察知し,ロコモ予防のための習慣的な運動や適切な栄養摂取が予防や改善に役立つことがわかっており,疾患・領域横断的な「ヨコの広がり」が進んでいる。こうした「タテの広がり」,「ヨコの広がり」に次いで,より多くの国民にロコモ予防が浸透していく「面の広がり」につながることが期待される。そして,以前より生命予後が飛躍的に改善したがん患者においても,運動器に着目した対策が重要となってきている。がんとロコモティブシンドローム,すなわち「がんロコモ」を念頭においた対策は,ロコモの新たな広がりであるといえる。
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