Japanese
English
特集 膝蓋大腿関節障害の治療
膝蓋骨脱臼に対する保存治療とその限界
Limitations of conservative therapy for patellar dislocation
望月 友晴
1
,
谷藤 理
1
,
高木 繁
1
Tomoharu MOCHIZUKI
1
1新潟大学医歯学総合病院,整形外科
キーワード:
Acute traumatic patellar dislocation
,
Scoring system
,
Conservative treatment
Keyword:
Acute traumatic patellar dislocation
,
Scoring system
,
Conservative treatment
pp.19-23
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002836
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要旨:初回外傷性膝蓋骨脱臼(APD)の適切な治療マネジメントを構築することを目的として,新潟大学関連施設の協力を得て後方視的に多施設調査を行った。APD 131膝のうち保存治療を受けた81膝を対象とした。女性51膝,男性30膝,平均年齢20歳,平均経過観察期間17.1カ月であった。評価項目は初回脱臼時年齢,性別,受傷機転,血腫の有無,画像評価,再脱臼もしくは不安定感の有無とした。再脱臼の有無を従属変数とし,他の因子を独立変数とした単変量のロジスティック回帰分析からオッズ比(OR)を算出した。有意な因子のORからスコアを決定後,スコアの分布から再脱臼のリスク群を同定した。年齢(20歳未満)2点,スポーツ外傷1点,血腫1点,骨片3点,膝蓋骨外方変位1点,滑車形成不全2点の計10点のスコアリングが算出された。4点以下は再脱臼率が低いため保存治療,8点以上は高い再脱臼率を認め手術治療のよい適応であることが示唆された。
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