大腿骨大転子単独骨折と転位のない大腿骨転子部骨折に対する保存的治療の3例

Conservative treatment for isolated greater trochanteric fracture and non-displaced femoral trochanteric fracture；report of three cases

要旨：大腿骨転子部骨折には，合併症が少なく，かつ生存率が高く入院期間が短い早期手術が推奨されているが，骨折部に安定性がある場合には保存的治療の適応がある。われわれは大腿骨大転子単独骨折1例と転位のない大腿骨転子部骨折2例を保存的に治療し，良好な結果を得た。症例は41歳，67歳，91歳の男性で，第24病日，第32病日，第83病日に受傷前の歩行能力（独歩，独歩，歩行器歩行自立）を再獲得して回復期リハビリテーション病棟から退院し骨癒合を得た。