Japanese
English
臨床
大腿骨転子部不顕性骨折の臨床的特徴と転帰
Occult femoral trochanteric fracture;clinical characteristics and outcomes
森永 伊昭
1
,
白戸 香奈子
1
,
木村 宗一郎
2
,
那須 智彦
1
,
三浦 和知
2
,
宮本 誠一
1
Yoshiaki MORINAGA
1
,
Souichirou KIMURA
2
1津軽保健生活協同組合健生病院,リハビリテーション科
2同上,整形外科
キーワード:
Occult femoral trochanteric fracture
,
Conservative treatment
,
Second hip fracture
Keyword:
Occult femoral trochanteric fracture
,
Conservative treatment
,
Second hip fracture
pp.1495-1503
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003201
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要旨:大腿骨転子部不顕性骨折(OFTF)の特徴や転帰には不明な点が多く,保存的治療の適応や荷重開始時期についての見解は一致していない。OFTFの特徴と転帰について検討した。症例は中央値年齢85.1歳の69例で女性52例,保存的治療と早期荷重67例,手術治療2例(他医での手術例と疼痛遷延例)だった。全例脆弱性骨折で6例は非外傷性骨折だった。X線像・CTでは58例が大腿骨大転子骨折,1例が大腿骨小転子骨折を伴っていた。5例に無症状の反対側のOFTF所見が偶然発見され,これを含めて20例が2回目・3回目の大腿骨近位部骨折や両側骨折と関係していた。保存的治療の受傷前・退院時の歩行可能例は各63例・59例で,2例は受傷後2週間以内に骨折顕性化を生じたが骨癒合した。OFTFは保存的治療と早期荷重で良好な結果が得られる可能性がある。ただし,受傷後2週間は骨折顕性化に対する慎重な経過観察が必要となり,疼痛増悪時や転倒時には顕性化を疑う必要がある。
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