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特集 膝蓋大腿関節障害の治療
自家腱を用いた内側膝蓋大腿靱帯再建術の限界と追加手術の適応
Indications of the medial patellofemoral ligament reconstruction using hamstring autograft and additional procedures
北 圭介
1
,
草野 雅司
1
Keisuke KITA
1
1JCHO大阪病院,スポーツ医学科
キーワード:
MPFL reconstruction
,
Hamstring autograft
,
Indication
Keyword:
MPFL reconstruction
,
Hamstring autograft
,
Indication
pp.25-31
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002837
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要旨:内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)の重要性が明らかにされてから30年が経った。今日ではMPFL再建術は,膝蓋骨脱臼の観血的治療の第一選択となっているが,その適応や限界については明確ではなく,どの症例に追加手術を検討すべきかについては,多くの術者を悩ませている。われわれは単独MPFL再建術44例を多変量解析し,大腿骨滑車の形態異常が最も術後の不安定性残存と相関があること,高度の大腿骨滑車の形態異常と大きな脛骨粗面外方偏位を伴った症例ではほとんどが術後に不安定性を残したことを報告した。そこから見えてきた重要なことは,大腿骨外顆前面の形態と膝蓋骨の位置関係であり,大腿骨前面の形態異常によって,膝蓋骨に対して強い外方偏位力が働く。これが初回脱臼後の易再脱臼性や,術後の不安定性と関係する。また位置関係には膝蓋骨高位などの骨性形態異常も関与するが,それらを統合的に考慮して追加手術の適応を検討する必要がある。
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