Japanese
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臨床
橈骨遠位端骨折保存療法の不安定要素は転位の程度よりも骨折型(横骨折か斜骨折か)が重要な指標となる
Unstable element of the conservative treatment of the distal radius fractures is rather the fracture type(transverse fracture? oblique fracture?)than the degree of the dislocation
小関 和彦
1
Kazuhiko KOSEKI
1
1泉整形外科病院
キーワード:
Distal radius fracture
,
Conservative treatment
,
Unstable element
Keyword:
Distal radius fracture
,
Conservative treatment
,
Unstable element
pp.1233-1238
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003546
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要旨:転位のある橈骨遠位端骨折に対し徒手整復を行った症例のうち,保存療法を継続した群と,手術療法となった群の転位の程度と骨折型を比較検討した。当院で筆者が過去7年間に徒手整復を施行した症例67例中,保存療法を継続した群は45例,手術療法となった群は22例であった。保存群と手術群の受傷時,徒手整復時のpalmar tilt(PT),ulnar variance(UV),単純X線側面像で骨折線が骨軸の垂線となす角度を骨折角度と定義し計測した。受傷時平均PT,UV,徒手整復時平均PT,UVは2群間に有意差を認めなかったが,骨折角度の平均は有意差を認めた。『橈骨遠位端骨折診療ガイドライン2017』では,保存療法では保持できない骨折を不安定型骨折と定義し,その指標の一つとして受傷時の背屈転位20°以上を挙げている。手術適応は一般的には受傷時のPTやUVなどの転位の程度を指標とすることが多いが,本研究の結果からは骨折型である骨折角度,すなわち骨折線が横か斜めかが重要な指標であると考えられた。

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