Japanese
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特集 ロコモの現状と今後の展望
がんロコモの提唱とその後の展開
Proposal of a new concept “cancer locomo”, so far and hereafter
河野 博隆
1
Hirotaka KAWANO
1
1帝京大学医学部,整形外科学講座
キーワード:
Locomotive syndrome in cancer patients
,
Onco-orthopaedics
,
Bone metastasis
Keyword:
Locomotive syndrome in cancer patients
,
Onco-orthopaedics
,
Bone metastasis
pp.805-812
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002610
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要旨:2人に1人ががんに罹患する「がん時代」を迎え,2018年に日本整形外科学会から,がんが影響し移動能力に障害が生じる状態である「がんロコモ」の概念が提唱された。これまでの活動によって,整形外科のがん診療への関わりは着実に高まり,2022年の『骨転移診療ガイドライン』の改訂には,多くの整形外科医が参加し,整形外科関連項目に注目が集まった。その後の研究で,一般住民と比べ,がん患者がロコモと診断される割合は高く,移動機能の低下は若年から生じることなど,がんロコモの実態が明らかになりつつある。これまで一般の整形外科医はがん診療とは距離を置いてきた。整形外科の骨軟部腫瘍領域は運動器にできる腫瘍(がん)を対象としたorthopaedic oncologyである。これからは「がん患者に生じる運動器の問題」に対応するonco-orthopaedicsの発想と取り組みが求められる。このonco-orthopaedicsが取り組むべき課題が,まさに「がんロコモ」なのではないだろうか。
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