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特集 骨転移診療のすゝめ―現状と課題
がんロコモの概念・研究の進歩と今後の課題
Concept of locomotive syndrome in cancer patients;research progress and future challenges
平畑 昌宏
1
,
河野 博隆
1
Masahiro HIRAHATA
1
1帝京大学医学部,整形外科学講座
キーワード:
Locomotive syndrome in cancer patients
,
Bone metastasis
,
Quality of death/dying
Keyword:
Locomotive syndrome in cancer patients
,
Bone metastasis
,
Quality of death/dying
pp.797-800
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003025
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要旨:現代は2人に1人以上が生涯に一度はがんに罹患する「がん時代」である。がん治療は日々進歩を続けており,がんはもはや不治の病ではなく,「がんと共存する」患者が増え続けている。がんロコモは,がん自体あるいはがんの治療によって,骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害が起きて,移動機能が低下した状態と定義される。そしてこの原因は,がん自体による運動器の問題,がんの治療によって起きる運動器の問題,がんと併存する運動器疾患の問題の3つが考えられている。がんロコモは広く認知されるようになってきたが,運動器管理が適切に行われていない事例はいまだに数多くあり,今後はいかにがんロコモを予防および改善するかが課題である。日本整形外科学会のアンケート調査では,整形外科のがん診療への関与の低さが明らかになった。がん診療医による正しい病態評価に基づいて,整形外科が参加する集学的治療が求められる。
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