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特集 骨転移診療のすゝめ―現状と課題
がん治療の進歩と新Katagiriスコアの連関
-―骨転移の予後予測のこれまでとこれから―
Progress in cancer treatment and the new Katagiri score;the future of prognostic prediction of bone metastases
片桐 浩久
1
Hirohisa KATAGIRI
1
1静岡県立静岡がんセンター,整形外科
キーワード:
Bone metastasis
,
Prognosis
,
Immune checkpoint inhibitor
Keyword:
Bone metastasis
,
Prognosis
,
Immune checkpoint inhibitor
pp.851-860
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003035
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要旨:今世紀に入りがん細胞の特定の分子を攻撃する分子標的薬が出現した。さらに2014年には免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が使用可能となり化学療法は革新的進化を遂げた。予後予測システムもこれに応じて進化する必要があり,抗悪性腫瘍薬に対する感受性と採血データは予後因子に必須の時代になった。当院のデータで2005~2007年と2019年の骨転移症例を比較すると予後の改善を認め,特に低リスク群でより明らかであった。2019年の症例で新Katagiriスコアを調べると,従来は中リスクに分類されていたスコア4点の症例は1年での生存率が88%であり,低リスク群に分類することが妥当と考えられた。ICIは2019年では11%の症例に使用されていた。ICI使用により予後は改善していたが,使用されていない症例では15年前と比較して予後改善はわずかであった。予後予測システムは長管骨転移の手術術式や照射方法の選択にも使用するべきであり,そのstudy designには脊椎手術症例だけではなく四肢症例や放射線治療症例も含めることが妥当である。
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