Japanese
English
特集 整形外科における静脈血栓塞栓症対策update
股関節骨折手術における静脈血栓塞栓症対策
Prevention of venous thromboembolism undergoing hip fracture surgery
阿部 靖之
1
Yasuyuki ABE
1
1国家公務員共済組合連合会熊本中央病院,整形外科
キーワード:
Hip fracture surgery
,
Venous thromboembolism
,
Early surgery
Keyword:
Hip fracture surgery
,
Venous thromboembolism
,
Early surgery
pp.845-850
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001777
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:股関節骨折手術(HFS)は日常的な整形外科手術の中では静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが最も高いとされている。骨折受傷後いつでもVTE発症の可能性があり,特に手術が遅れるとVTE発生率が高くなる。このため入院後速やかにVTE予防を開始する必要がある。HFSは高齢,低体重,腎機能低下などにより出血リスクが高いことに留意し,抗凝固療法の適応は慎重に検討する。足関節自動運動,弾性ストッキング,間欠的空気圧迫装置など施行可能な理学的予防を組み合わせて,早期手術・早期歩行獲得を目指すべきである。どんなに予防を行ってもVTEをゼロにはできないため,常に肺血栓塞栓症(PTE)発症の可能性を忘れないことが重要である。パルスオキシメータによる動脈血酸素飽和度(SpO2)の定期的測定を行い,軽症PTEの早期発見に努めることで致死性PTEの防止を図る。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.