膝周囲骨切り術における静脈血栓塞栓症対策

Prevention of venous thromboembolism for osteotomy around the knee

要旨：膝関節周囲骨切り術は近年広く実施されるようになり，術前の下肢アライメントや矯正角度などを考慮し術式が決定される。代表的な手術としてopen wedge high tibial osteotomy（OWHTO）が挙げられる。膝関節周囲骨切り術の良好な治療成績が多く報告されているが，その合併症として静脈血栓塞栓症（venous thromboembolism；VTE）は重要であり，その対策には十分な理解が求められる。国内および海外におけるVTE対策やその発生率の報告をまとめるとともに，膝関節周囲骨切り術におけるVTE対策の問題点を提示した。