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特集 整形外科における静脈血栓塞栓症対策update
待機的脊椎手術・脊髄損傷患者における静脈血栓塞栓症対策
Venous thromboembolism prophylaxis in elective spine surgery and patients with spinal cord injury
森平 泰
1
,
種市 洋
1
Hiroshi MORIDAIRA
1
1獨協医科大学,整形外科学
キーワード:
Venous thromboembolism
,
Prophylaxis
,
Spine
Keyword:
Venous thromboembolism
,
Prophylaxis
,
Spine
pp.887-895
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001783
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要旨:脊椎疾患や脊髄損傷の患者では,痛みや麻痺のために下肢の血流停滞が生じやすい。しかし,脊椎手術や脊髄損傷患者の静脈血栓塞栓症の予防では,抗凝固薬投与による術後や受傷後の硬膜外血腫発生のリスクがあり,国内では機械的予防を中心とした理学的予防が主として行われている。一方,静脈血栓塞栓症への対応が早期より開始されていた欧米では,脊椎手術や脊髄損傷における急性期の静脈血栓塞栓症予防として低用量未分画ヘパリンや低分子量ヘパリンが行われている。多様性のある脊椎手術をまとめて議論するのではなく,静脈血栓塞栓症の予防の必要性と硬膜外血腫のリスクとのバランスが不可欠であり,静脈血栓塞栓症の危険因子を把握することが重要である。安全で有効な新薬の登場とともに,どの薬剤をどの時期に使用すべきかなど,具体的で詳細な質の高い研究によって,薬物的予防が国内においても主流となっていく可能性がある。
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