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特集 運動器のバイオメカニクス―Cutting Edge 2021:新しい解析手法と知見
Ⅲ.関節のバイオメカニクス
6自由度関節シミュレータを用いた半月板機能解析
Biomechanical analysis of the meniscus function using a 6-degree-of-freedom robotic system
大堀 智毅
1
,
山川 学志
2
,
橘 優太
3
,
小笠原 一生
4
,
前 達雄
2
,
中田 研
4
Tomoki OHORI
1
,
Satoshi YAMAKAWA
2
,
Yuta TACHIBANA
3
,
Issei OGASAWARA
4
1大阪大学大学院医学系研究科,器官制御外科学(整形外科)
2同上,運動器スポーツバイオメカニクス学
3大阪労災病院,整形外科
4大阪大学大学院医学系研究科,健康スポーツ科学講座 運動制御学
キーワード:
Meniscus
,
Biomechanical function
,
6-degree-of-freedom
Keyword:
Meniscus
,
Biomechanical function
,
6-degree-of-freedom
pp.585-592
発行日 2021年4月30日
Published Date 2021/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001714
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要旨:半月板の主たる生体力学的機能は,垂直荷重に対する荷重分散・伝達機能である。われわれは,生理的な関節運動を再現できる6自由度関節シミュレータを用い,種々の半月板損傷の影響を検討し荷重分散・伝達能の詳細な解析を行った。半月板線維構造の主体である円周方向線維に沿った縦断裂では,わずかな断裂幅でも荷重分散・伝達能に影響するが,断裂が進展しても大きな機能低下は起こらない。一方で円周方向線維が破綻する横断裂では,断裂が外周縁近傍にまで達すると急激に荷重分散・伝達能が低下し,特に関節中央部の骨付着部に近い断裂ほど機能が大きく損なわれる。これらの結果より,半月板は円周方向線維がtie-fiber sheetにより束ねられ一塊として働くこと,また横断面が三角形であるため横断裂部には曲げ応力が生じることが解明できた。臨床的には,治癒が見込める半月板損傷に対する縫合法の工夫や,欠損に対する補填を目的とした治療法の開発の一助となると考える。
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