Japanese
English
特集 半月板—Save the Meniscus
Ⅵ.縫合困難例に対する治療
人工半月板の現況
Current state of the artificial meniscus implant
大堀 智毅
1
,
前 達雄
1
,
中田 研
2
Tomoki OHORI
1
,
Ken NAKATA
2
1大阪大学大学院医学系研究科,器官制御外科学(整形外科)
2同上,健康スポーツ科学(スポーツ医学)
キーワード:
Meniscus
,
Implant
,
Scaffold
Keyword:
Meniscus
,
Implant
,
Scaffold
pp.709-713
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001292
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要旨:現在,海外において臨床使用可能な人工半月板は,CMI®,Actifit®,およびNUsurface® Meniscus Implantの3種類で,CMI®とActifit®は多孔質構造を有するスキャフォールドであり,半月板の辺縁部と脛骨付着部が保たれている部分欠損に対する補填を目的とするが,NUsurface® Meniscus Implantは内側コンパートメントのみであるが全置換型のインプラントである。CMI®およびActifit®の適応となる症例では,半月板の荷重分散・伝達能が比較的保たれているため,短期〜中期的には臨床成績は良好であるが,正常半月板よりも強度が低くリモデリング時に分解されるため,長期的な臨床成績の改善効果は不明である。一方でNUsurface® Meniscus Implantは,力学的強度は期待できると考えられるが,短期の臨床成績の報告しかなくインプラント脱転なども報告されており,やはり長期的な臨床成績や合併症頻度などは不明である。今後は,十分な強度を有し半月板組織の再生を誘導するようなスキャフォールドなど,現状の問題を解決しうる人工半月板の開発が期待される。
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