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特集 間葉系幹細胞治療の現状と課題
滑膜由来間葉系幹細胞を用いた半月板再生医療
Meniscus regeneration therapy by synovial mesenchymal stem cells
関矢 一郎
1
Ichiro SEKIYA
1
1東京医科歯科大学,再生医療研究センター
キーワード:
Meniscus
,
Synovium
,
Stem cells
Keyword:
Meniscus
,
Synovium
,
Stem cells
pp.1345-1353
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000637
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要旨:半月板切除により変形性膝関節症発症のリスクが増悪することから,切除術は安易に施行するべきではないが,縫合術の再手術率は高く,縫合術の適応を広げ治療成績を向上させる治療法の開発が必要である。滑膜由来の間葉系幹細胞(滑膜幹細胞)は軟骨再生医療で臨床の実績があり,また半月板修復には周囲の滑膜組織の半月板損傷部への誘導が重要であることから,半月板修復・再生への応用が期待される。マイクロミニピッグの半月板の無血行野に変性断裂を作成して縫合後,滑膜幹細胞浮遊液を10分間静置して移植すると,滑膜幹細胞は半月板損傷部と周囲の滑膜に生着し,周囲の滑膜組織の半月板損傷部への誘導を促し,半月板治癒を促進した。一般的には切除術の適応となる半月板変性断裂に対して,縫合後に滑膜幹細胞を移植する臨床研究を2014年に開始し,2年間の観察でMRI所見とLysholm scoreが5膝すべてにおいて改善した。さらに治験を実施し詳細に本治療法の有効性を検討している。
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