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特集 運動器のバイオメカニクス―Cutting Edge 2021:新しい解析手法と知見
Ⅱ.運動解析
イメージマッチング法による股関節運動解析
Kinematic analysis of the hip joint using image-matching techniques
濵井 敏
1
,
塩本 喬平
2
,
小宮山 敬祐
2
,
清原 壮登
2
,
池部 怜
4
,
日垣 秀彦
3
,
中島 康晴
2
Satoshi HAMAI
1
,
Kyohei SHIOMOTO
2
,
Satoru IKEBE
4
,
Hidehiko HIGAKI
3
1九州大学大学院医学研究院,医工連携・健康長寿学講座
2同上,整形外科
3九州産業大学生命科学部,生命科学科
4北九州工業高等専門学校,機械創造システムコース
キーワード:
Kinematics
,
Hip
,
Image-matching
Keyword:
Kinematics
,
Hip
,
Image-matching
pp.565-572
発行日 2021年4月30日
Published Date 2021/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001711
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要旨:イメージマッチング法により,生体内の関節動態をin vivoで高精度に明らかにすることが可能である。健常股や変形性股関節症,臼蓋形成不全症,大腿骨寛骨臼インピンジメントなどの生理的,病的動態に関する検討のみならず,人工股関節置換術後ではライナー・ヘッド間のセパレーションやライナー・ネック間のクリアランスに関する検討が報告されている。ライナー・ヘッド間のセパレーションは,過去の報告のレビューでは,動作時に最大5.4mm生じていると報告されており,オフセットの再建や脚長差補正,アプローチなどの影響が指摘されている。ライナー・ネック間のクリアランスは,われわれの報告では,動作時の前方距離減少の因子として,股関節屈曲角増加,カップ外方開角低下,ステム前捻角低下,小骨頭使用,後方距離減少の因子として,股関節伸展角増加,カップ前方開角増加,ネック長低下,エレベートライナー使用を明らかにしている。イメージマッチング法は,ライナー・ヘッド間のセパレーションやライナー・ネック間のクリアランスなど,生体内におけるインプラントの三次元動態を高精度に明らかにすることが可能であり,骨盤・股関節動態の影響や,インプラントの選択・設置を含む手術へのフィードバックに極めて有用であり,今後のさらなる発展が期待される。
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