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特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
1.基礎科学
母指CM関節の機能解剖
Anatomy and kinematics of the first carpometacarpal joint
南野 光彦
1
,
小寺 訓江
1
,
大園 翔太
1
Mitsuhiko NANNO
1
1日本医科大学,整形外科
キーワード:
First metacarpal joint
,
Anatomy
,
Kinematics
Keyword:
First metacarpal joint
,
Anatomy
,
Kinematics
pp.475-482
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000435
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要旨:母指CM関節は骨性支持に乏しく,主に靱帯で支持されているため,母指CM関節の機能解剖を知る上で,靱帯の解剖と機能を検討する必要がある。現在母指CM関節の靱帯は,dorsoradial ligament(DRL),posterior oblique ligament,superficial anterior oblique ligament,deep anterior oblique ligament(dAOL),ulnar collateral ligament,dorsal intermetacarpal ligament(dIML),volar IMLの7靱帯とされている。靱帯機能については,DRLが関節の主要なstabilizerであり,背橈側脱臼の予防にDRLが,回旋運動の安定化にdAOLが重要な役割を果たし,ともに関節の靱帯機能には欠かせないと報告されている。また母指CM関節症の発生にはDRLとdAOLの摩耗と緩みが影響しているという報告が多く,関節形成術を行う場合は両靱帯の再建が必要である。さらに,母指列短縮予防に有用なIMLの再建も加えて,関節形成術における骨孔作製の工夫は重要である。
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