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は じ め に
イメージマッチング法は,X線画像とcomputer-aided-design(CAD)モデルもしくはdigitally reconstructed radiography(DRR)を用いてin vivoで人工関節もしくは生体関節の三次元運動を解析する手法である(図1).手術手技やインプラント形状が人工膝関節置換術(total knee arthroplasty:TKA)の動態に及ぼす影響などがこれまで明らかにされており,TKAの術後評価やインプラント開発において有用な手法となっている.金属インプラント間の相対関係をあらわす6自由度パラメータに加え,ポリエチレンインサートのCADを用いて,大腿骨コンポーネントとインサート間の接触位置や後十字靱帯置換型におけるポストカム機構やポスト前方の接触状態を検討することも可能である(図2)1,2).健常膝や変形性膝関節症(膝OA)3~5)などの生理的,病的動態に関する検討のみならず,股関節6~16)や肩関節17~20)などにも応用されている.撮影機器や画像位置合わせのアルゴリズム,対象とする骨・関節によって測定精度は異なるが,おおむねin-plane(投影面)translationで1mm,rotationで1°以下と報告されている.
本稿では,イメージマッチング法により,① 健常膝と変形膝,② TKA,③ 人工股関節置換術(total hip arthroplasty:THA),④ 大腿骨頭前方回転骨切り術(anterior rotational osteotomy:ARO),⑤ 健常肩と腱板断裂肩においてわれわれが明らかにしてきた最新の知見を提示する.
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