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特集 整形外科疾患の運動療法—最近の進歩
凍結肩と腱板断裂に対する運動療法
-—肋骨モビリゼーション—
Exercise therapy for frozen shoulder and rotator cuff tears;ribs mobilization
浜田 純一郎
1
,
立原 久義
2
,
斉藤 嵩
3
Junichiro HAMADA
1
,
Hisayoshi TACHIHARA
2
,
Takashi SAITO
3
1桑野協立病院,整形外科・トレーニング部門
2大久保病院,明石スポーツ整形・関節外科センター
3小野整形外科,リハビリテーション部
キーワード:
Rotator cuff tear
,
Frozen shoulder
,
Rib movement
Keyword:
Rotator cuff tear
,
Frozen shoulder
,
Rib movement
pp.419-426
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001680
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要旨:凍結肩と変性腱板断裂は50歳以降に発症する疾患であり,その病因や病態は十分にわかっていない。両疾患の初期病態を,① 加齢に伴う肋骨運動制限による肩関節可動域制限,② 腱板疎部の病的血管新生による炎症や烏口上腕靱帯の肥厚,と捉えると両疾患の病態を理解できる。外側第2〜4肋骨運動制限があると屈曲,外転,外旋制限に,内側1〜4肋骨運動制限があると内旋(結帯),90°外転位内旋(2nd内旋)が制限される。また胸鎖関節の運動制限では水平内転が制限される。運動制限のある肋骨や鎖骨をモビリゼーションすると,肩関節の可動域制限が改善する。肋骨運動制限による可動域制限のある症例中80%にMRIで烏口上腕靱帯の肥厚を認める。この肥厚は腱板疎部の血管新生のためであり,炎症による疼痛や靱帯の肥厚による外転・外旋・内旋・2nd内旋制限を生じる。本稿では,これらの病態から凍結肩と腱板断裂の診察と治療について解説する。
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