Japanese
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特集 肩関節拘縮(凍結肩)の診断・治療
凍結肩に対するステロイド内服療法
Oral steroid therapy for frozen shoulder
高瀬 勝己
1
Katsumi TAKASE
1
1東京医科大学,運動機能再建外科学寄附講座
キーワード:
Frozen shoulder
,
Medication therapy
,
Self-conducted exercises
Keyword:
Frozen shoulder
,
Medication therapy
,
Self-conducted exercises
pp.1653-1659
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001970
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要旨:凍結肩は,誘因なく肩関節の疼痛と可動域制限を生じ自然治癒する疾患と考えられている。しかし,実際には疼痛や可動域制限が残存することが多い。治療方法には一定の見解はないが,保存治療が第一選択である。一般的に運動療法や理学療法が必須であるが,内服療法や注射療法の組み合わせにより治療効果の向上が期待される。われわれは,保険適用上の問題はあるが本疾患の病期に関係なく副腎皮質ホルモン(ステロイド)の内服療法を行い,除痛および可動域改善の両者に有効で症状の早期改善に役立つことを報告してきた。今回,肩峰下滑液包注射群,運動療法単独群との治療成績を比較検討した。ステロイド内服療法は,治療早期において他群と比し除痛および可動域改善を有意に認めた。しかし,治療開始後10カ月以降は可動域の有意な改善を認めなかった。一方,内服による副反応が考慮されるため,十分な注意や患者へのインフォームド・コンセントが必要である。
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