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特集 肩関節拘縮(凍結肩)の診断・治療
三次元動態解析からみた凍結肩
3D shoulder kinematics in patients with frozen shoulder
佐原 亘
1
,
菅本 一臣
2
Wataru SAHARA
1
,
Kazuomi SUGAMOTO
2
1大阪大学大学院医学系研究科,器官制御外科学(整形外科)
2同上,運動器バイオマテリアル学寄附講座
キーワード:
Frozen shoulder
,
Healthy volunteer
,
3D shoulder kinematics
Keyword:
Frozen shoulder
,
Healthy volunteer
,
3D shoulder kinematics
pp.1639-1646
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001968
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要旨:凍結肩は日常診療のなかでよく遭遇する疾患の一つである。肩関節の痛みと可動域制限を主訴とし,時に著明な可動域制限をきたすことがある。可動域制限が重度で拘縮期が長いと回復にも時間を要するため,可動域の評価は重要である。凍結肩患者を対象に2D/3D registration法を用いて動態解析を行ったところ,健側と比較して患側の肩甲骨は大きく上方回旋,外旋し,肩甲上腕関節では上肢挙上30°までは上腕骨は外旋,外転したが,30°以降はこれらの動きは制限された。関節包靱帯の付着部間距離を推定すると前下関節上腕靱帯(AIGHL)が制限の原因と考えられた。また,正常肩の解析結果から,各関節包靱帯が最長になるのは上関節上腕靱帯(SGHL)では下垂位外旋位,中関節上腕靱帯(MGHL)は下垂位外旋位か外転90°外旋位,AIGHLは外転90°外旋位であった。外転角度で緊張する靱帯が異なるため,どの角度から制限が加わるのかを評価することが大切であると考えられた。
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